皇太子 ルドルフ – 1

Posted on

今回はエリザベートのひとり息子、ルドルフについて少しお話しようと思います。
 
皇太子ルドルフは、その少年時代の教育を、皇太后ゾフィー(ルドルフにとっては祖母)にまかされていました。その頃母であるエリザベートは頻繁に旅行に出ていてウィーンにはあまりおらず、事実上ルドルフの養育を放棄していたからです。
ルドルフは軍人になるため、厳しい教育・訓練を受けていました。それは本当に過酷なものだったようで、時には鞭で打たれたり、冷水を浴びせられたりしたようです。そのため心も体も傷つけられたルドルフは、神経質で臆病な少年でした。さらには、母エリザベートにも会えないことから、とても愛情に飢えていました。

ミュージカル・エリザベートの中でも、ルドルフはひ弱でさびしがり屋の少年として描かれています。真っ暗で寒い部屋でひとり、自分の気持ちを歌います。

Mama, ich möchte immer bei dir sein
Doch fährst du fort, nimmst du mich nicht mit
Und wenn du da bist, schließt du dich ein
Warum läßt du mich allein

ママ、僕はいつもママのそばにいたいのに
いつも僕をおいて旅に出てしまうんだね
家にいるときだって部屋に閉じこもってばかり
どうしていつも僕をひとりぼっちにするの?

トート(死)はそんなルドルフにも近づきます。
いったい彼に何をしようというのでしょう…。

(記:ドイツ語講師 池嶌 千絵)