エリザベートと皇太子ルドルフ “ Lässt du mich im Stich ? ”

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エリザベートとルドルフは、2人とも自由な考えの持ち主で、似たもの親子でした。
それゆえ、2人ともハプスブルク家の古いしきたりや考えになじめず、孤立していきます。
そんなエリザベートとルドルフが、物語の中で使う共通の台詞がこちら。

“Lässt du mich im Stich?”
“君は私を見捨てるの?”

エリザベートがこの台詞を言ったのは、夫フランツ・ヨーゼフに対してです。
フランツが母ゾフィーの意見を優先させ、自分の味方になってくれず追い詰められた時でした。
また、ルドルフがこの台詞を言ったのは、母エリザベートに対してです。
困難な状況に陥いり、助けを求めたエリザベートに拒否された時でした。

「自分が頼りとしていた者に助けになってもらえなかった」という同じような状況におかれた親子が、その相手に同じ言葉を発する。
この2人は本当に似た者同士だったんだということが伝わってくるとともに、親子の運命と言いますか、性というのか….。
そのようなものも感じられて、ドキッとさせられます。
不幸は繰り返すということでしょうか。
ただ少し残念なのは、” 日本版エリザベート ” では、この台詞が違う表現に訳されていたことです。

エリザベート “あなたは私を見殺しにするのね”
ルドルフ   “ママは僕を見捨てるんだね”

個人的にはエリザベートとルドルフには同じ台詞を言ってほしいところです。
2人を取り巻く暗い運命と同時に、やはりこの親子はつながっているんだ、とも感じられるからです。

(記:ドイツ語講師 池嶌 千絵)