Zwei Boote in der Nacht …夜のボート

前回、前々回に続いて、ミュージカル・エリザベートについてお話します。

なぜ人の気持ちはすれ違ってしまうのでしょう。
愛し合っていたはずなのに、理解しあっていたはずなのに、いつの間にか取り返しがつかなくなっている。
どこかでやり直す機会はあったはずなのですが、、。しかしそれも多くは、後から考えれば、のことです。
エリザベートと夫フランツ・ヨーゼフの関係もそうでした。

エリザベートが暗殺された1898年の夏、エリザベートとフランツは久しぶりに会い、お互いの気持ちを語り合います。

長年すれ違っていたのに、悲しいことにこの思いだけは二人一緒でした。

 

Elizabeth&Franz: Könntest du einmal nur durch meine Augen sehen,
dann würdest du mich nicht länger missverstehen…
Wir sind wie zwei Boote in der Nacht,

Jedes hat sein eigenes Ziel und seine eigene Fracht.
Wir begegnen uns auf dem Merr,
und oft fällt der Abschied uns schwer,

Warum wird uns das Glück so schwer gemacht.

一度でいいから私の目を通してみてくれたなら
誤解し合うこともなかったのに。
私たちは夜の二隻のボートのようなもの
それぞれが自分のゴールと心の負担を持つ
私たちは海の上で出会い、別れがつらいこともある。
どうして幸運は私たちをこんなに困難にしたんだろう。

様々な出来事を伴う時間の経過は、お互いに対する気持ちを変化させました。
でもそれは、エリザベート自身が変わることがなかったからでしょう。

とても切なくなる一場面です。

(記:ドイツ語講師 池嶌 千絵)